「お家で楽しむ」ハワイアンプランツ  Vol.3

今回、紹介する植物はハワイの神話とも食文化とも深く結び付いているkaloです。

文・写真 Pantere IWASAKI

kaloとは?


学名:Colocasia esculenta
和名:タロイモ
ハワイ語名:kalo(カロ)
 
カロは前回ご紹介したキー同様に古代ポリネシア人が太平洋の島々に渡る時に持ち込んだカヌープランツの一つで、ポリネシア地域や東南アジアではtaro(タロ)と呼ばれて日本でもタロイモの名で知られています。
ハワイ語ではキーと同じくtaroのTがKに変音化し、さらにRの音もLに変音してkaloカロと呼ばれます。
 
 
タロイモはハワイのみならずポリネシア地域においては非常に重要な主食で、すり潰して水を加えペースト状にし、発酵させたpoiポイは今でも伝統料理として食べられています。
また前回紹介したキーの葉とカロの葉を使った蒸し焼き料理のlaulauラウラウも現在もたべられている料理です。

また料理以外でもカロを使った羊羹のようなお菓子のkuloloクロロやアイスやドーナツなどのフレーバーとしても使われているのでハワイでカロを食べた事がある方も多いかもしれませんね。

古典的な品種のタロ、イラストリス

日本の里芋も学名はColocasi esculentaでタロイモと同じです。

このタロイモと言うのは沢山の品種が有り、里芋もその中の一つと言う事になります。

当然栽培される地域の食の好みに応じた品種改良を経て来たのでハワイのカロと日本の里芋では違う味、違う風味になっていますがカロも里芋と同じと聞くと親近感が湧きますよね。

日本の里芋もハワイ語で呼べばカロ

カロは人間のお兄さん?

カロはハワイアンの主食であっただけでなくハワイの創世神話に登場する非常に重要な植物です。

簡単にその神話をご紹介します。

天空神ワーケアと大地神パパ・ハナウ・モクはハワイ諸島を生み出した創造神ですが、二人には美しいホオホクカラニと言う娘もおりました。

ある時ワーケアは娘ホオホクカラニに欲情し、神官と相談して一計を講じてパパを遠ざけ、娘のホオホクカラニとの間に子をもうけました。

しかしその子はすぐに死んでしまったので土に埋めたところ、そこに生えて来たのがカロでした。

やがて娘ホオホクカラニとの2人目の子、ハワイアンの始祖となるハーロアが生まれ、ハーロアはカロを自分より先に生まれた兄として敬うようになりました。

西洋人の渡来以前にハワイには文字がなく、神話などは口伝で受け継がれて来たのでハワイ神話には色々なバリエーションがありますがカロに関しては概ね先程の内容の神話になっています。

この天空神ワーケアは現代の我々の倫理観や道徳観からすると信じられないとんでもない神さまに映りますが、なにもワーケアは単なる色魔ではなく古代のハワイにおいては王族の親子や兄弟間の子供は高貴な血統を保つ象徴として語られていたようです。 

これらの事からハワイではカロは神・自然からの贈り物であり、自然を敬うハワイアンの精神性に深く結び付いています。

日本でも主食であるお米(稲)が神事に使われますが、さすがに日本人の兄弟であるとする神話はありませんね。

このハワイの神話と植物の関係性の深さは他の国々の神話にはなかなかない特徴だと思います。

カロと言う呼び名について

現在のハワイでは当然日常会話では英語が話され、本格的にハワイ語を話せる人はかなり少なくなっており、学校などで継承活動が行われています。

そんな現代のハワイではハワイ語でのカロと言う呼び方と英語でのタロ、学名でのコロカシアと言う呼び方が混在しているようです。

一般的に食文化や神話などの伝統文化的な文脈においてではカロ。

街中での植栽に用いる際や鑑賞用品種などの園芸の分野では学名であるコロカシアや英語でのタロと呼ぶなどの使い分けがされているそうです。

よって園芸店での鑑賞用品種へのタグは学名のコロカシアと記載され、kaloの表記はしないのが一般的なようです。

しかしカロと言う名称も広く浸透しているので、ハワイ語を日常的に話さない人でも街中に植えられてるタロイモを見ればカロと呼ぶ人はそれなりにいるかと思います。

ワイキキの商業用施設内のカロ

また、古代ハワイアンはカロの葉や茎などの各パーツにそれぞれ個別の名称を付けていました。 

例えばお芋の側面に出来る小さな球根の蕾のような部分を’ohāオハー、葉をlauラウ、その葉の中心のくぼみをpikoピコなどと実に細かく色々な名称が付けられています。

カロ(Kalo:タロイモ)の各部位の名称

そしてその言葉はピコが人間のお臍、Iwiイヴィが骨と同じ意味だったり、オハーは家族と言う意味の’ohanaオハナの語源とも言われたりと単なる植物の名称以上の意味があるとされています。

カロを買おう

ハワイでは古くから沢山の品種改良が行われていたようですが、おそろくはそのほとんどが食用品種だったと思われます。

しかし現在ではハワイ大学の育種プログラムによってロイヤルハワイアンシリーズと言う鑑賞用の品種も作られています。 

ただ残念ながらロイヤルハワイアンシリーズの品種は日本で一般的な園芸店では手に入りません。

その一方で古くから鑑賞用のタロイモ品種は存在しており、そのいくつかは日本でも購入する事ができます。

最近人気な品種にモヒート、古くからの品種のイラストリス、黒い葉が格好良いブラックマジックなどがネット通販などで購入出来ます。

植物園のブラックマジック

育て方

ハワイではカロは水を張った水田のようなタロ畑で育てられます。

タロイモは基本的に水が大好きで、日本の里芋も水を張った畑で育ててみたら収穫量が上がった。と言う例もあるぐらいです。

ですのでお家で育てる場合もお水はたっぷりあげて、乾燥させない事がポイントです。

むしろ鉢カバーや深い受け皿などに少し水を溜めてそこに鉢ごと浸けるぐらいが安心です。

園芸店で売られているコロカシアには耐寒性品種と非耐寒性品種があり、タグの裏側に明記されてると思いますので確認して購入しましょう。

耐寒性品種は冬に地上部を枯らして地中の芋だけで越冬して翌春に芽を出してくれます。コロカシア・イラストリスは地上で−4℃ほどまで寒くなる地域でも越冬しています。

コナ・コーヒーと言う名のタロのタグ、耐寒性についての記載があります。

お水同様に日差しも大好きな植物なので日当たりの良い場所で育ててください。

鉢栽培で室内で越冬させる場合は地上部は枯れませんので、冬場もしっかりお日様に当てて元気に育てましょう。

そしてタロイモ全般に言える事ですが、葉の更新速度が早いので新芽が展開して新しく葉が増えてもそのタイミングで古い葉が枯れていく事が多く起こります。

一般的な観葉植物や花物などと比べると葉が出て来ては枯れるまでのペースが早いので不安になるかもしれませんが、これはハワイ系のカロでも日本の里芋でも同じ。

それがタロイモの基本的な成長サイクルになります。

葉がすぐ枯れたから環境が合わなかったのかな、水が足りなかったのかな…と焦らずに古い葉が枯れるのと新芽が出るタイミングがなんとなく合ってる間は問題なく成長してると思ってください。

病害虫について

お家で育てている分には病気はあまり心配ないですが、害虫の被害としてはスズメガの幼虫に注意が必要になります。

外で育てている場合、夏の終わりから秋頃に被害に遭いやすいので、こまめに葉をチェックしてみてください。

予防はなかなか難しく、食害が出て気付く事がほとんどだと思います。

スズメガの幼虫は食欲旺盛なので、あっという間に葉が食べ尽くされてしまいますので、虫食い跡が確認出来たら葉の裏から茎までよく確認して幼虫を除去しましょう。

黒い芋虫で姿は不気味ですが、毒はないので人には無害です。

割り箸などで摘めば簡単に除去は出来ますし、市販の殺虫剤も有効です。

一方で室内管理であれば虫が付く事となく、病害虫共に心配なく育てられるかと思います。

前回のキー同様にカロもハワイ文化、神話と密接な繋がりのある植物で単なる観葉植物以上の価値があります。

フラやハワイアンミュージックがお好きな方には是非育てていただきたい植物達になります。

カロを植えればお庭の一部がハワイの風景になりますし、お室内にあればそこにハワイ文化が息づく思いがします。

ロイヤルハワイアンシリーズのコナコーヒー

当Lau Kīプロジェクトではハワイ系の品種ではありませんが、古典的な品種のイラストリスを自家栽培しており、苗の販売もしています。

また本格的にカロを育ててみたいと言う方へは鑑賞用のロイヤルハワイアンシリーズの購入アシストもさせていただきます。

興味のある方はインスタグラムでのDMにてご連絡下さい。

Lau Kī プロジェクト

ハワイアンプランツ愛好家の私、Pantere IWASAKIがハワイアンプランツとハワイ文化を知れば知るほど日本でもっとハワイアンプランツを普及させたいと思い、『ハワイ好きなら1家に1鉢』をスローガンにハワイアンプランツ入門として自宅で簡単に育てられ、ハワイ文化と深く結び付いているkīやkaloを皆さんにお届けしたいと『Lau Kīプロジェクト』を立ち上げました。

活動の趣旨に賛同してくださった沖縄の生産者さんなどのご協力の元、主にローカルなイベントにて販売をしています。

又、ブログやインスタグラムでも情報発信しておりますので是非ご覧ください。

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