ハワイアン便り – メリーモナーク手記 2 –

記事:2024年6月

Aloha mai e oʻu hoa heluhelu (読者の皆さんこんにちは)

前回の記事ではメリーモナークの裏側(準備編)を書きました。今回は引き続きあまり知られていないメリーモナークの裏側(ヒロ編)をお話していきたいと思います。

メリーモナーク2021

コロナの影響で無観客開催されたメリーモナークフェスティバル2021、私のハーラウが泊まっていたのは、ハワイ国立火山公園内のキラウエア火山の火口近くにあるロッジです。コロナの陰性検査の関係で大会開催日の1週間前にはハワイ島に来ていました。練習は勿論のことフラブラザー、シスターとの話し合いや大会への準備など様々なことを行いますが、私のお気に入りの時間は朝早くロッジの周りを散歩することでした。キラウエア山はペレと呼ばれるハワイ神話に現れる火の女神が住んでいる場所として知られています。そんな神聖な場所を朝一で歩くことで、彼女のMana(精神的・霊的な力)を感じることができ、身も心も清らかになります。またあちこちから吹き出る蒸気やオアフ島ではあまり見かけない木々が繁茂する森林、朝露かかるレフアの花に陽が反射し自然すべてが朝の訪れを告げているようでした。

レイ作り

例年は大会の3日ほど前にハワイ島に到着し、ステージリハーサルや練習などタイトなスケジュールに沿います。しかし一週間前に到着した2021年大会はロッジで過ごす時間がとても長かったです。ハーラウの皆でキラウエア山をハイキングしながら花を摘み、ロッジに戻りレイポオ(頭につけるレイ)などもたくさん作りました。こういった活動を通して、フラブラザーやフラシスターとのコミュニケーションを深め、大会に向けてハーラウとしての一体感を高めます。何よりも驚いたのは咲いている草木や花の多さです。キラウエア火山にはハワイ固有種の植物がたくさん生えています。特にハレマウマウ(キラウエア火山の火口の名前)近くの森はレイに使われるレフアやアアリイなどの植物がたくさん見られます。

Hoʻokupu (お供え、お祈り)

写真:ハレマウマウ火口

ハワイでは人のお家や異郷の地を訪れる際必ずその土地へ足を踏み入れても良いか許可を得ます。これは昔からの風習で、行く先々のご先祖さまや神様その土地に今も住んでいる人、自然、全てに敬意を示すためです。またHoʻokupuは元々ハワイのチーフに祭事的にお供え物をする儀式です。その形は様々で、メリーモナークに参加するハーラウの多くがこのHoʻokupuをキラウエア火山で行います。ハワイ島の神様ペレに踊りやレイをお供えして敬意を示すのです。私自身そういったHoʻokupuは現代のフラにおいてとても大切な要素の一つだと強く思っています。競技としてのフラではなく文化としてのフラの本質を追求する上でこういった儀式的な側面は切っても切り離せない物なのです。

夕焼け

写真:キラウエア火山の夕焼け

私は幼少の頃に家族でハワイ島に行ったことが一度あります。その当時の記憶で今でも鮮明に残っているのが当時まだ小さかったハレマウマウ火口(噴火前)に行った事と、夜ホテルへ戻っている道中で見た星空です。オアフ島では見ることのできない景色が至る所にあり感動したのを覚えています。2021年のメリーモナークに行った際、また感動的な景色に出会いました。それが宿泊していたロッジから見える夕焼けです。夕焼けと聞くとオレンジに近い色を想像すると思いますが、写真から伝わるようにキラウエアで見られる夕焼けはなんとピンク色なのです。この夕焼けを初めて見た時の感動は今でも忘れません。

以上、今回はメリーモナーク裏側(ヒロ編)をお話しました。フラの本質、踊る以外の大切なこと、ハワイ先住民が紡いできた素晴らしい文化や神話の一端を、ハワイ島という土地とその自然環境を通して感じた旅でした。それではまた次回A hui hou (また逢う日まで)。

【筆者プロフィール】

Takumi

2000年生まれ。神奈川県横浜市出身のフラダンサー。8歳の頃からフラを習い始め2019年にハワイ、オアフ島へ留学。メリーモナークフェスティバルに2021年、2022年とクムフラ・チンキーマーホエ率いるカヴァイリウラーで踊り2021年は総合優勝を果たす。ハワイ大学マノア校に通いハワイアンスタディーズを専攻、2023年の12月に卒業。現在もハワイに在住している。

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