「お家で楽しむ」ハワイアンプランツ Vol.2

今回、紹介する植物はティーリーフとしてお馴染みのkiです。
文・写真 Pantere IWASAKI
〈kiとは?〉
学名:Cordyline fruticosa
(旧学名:Cordyline terminalis)
和名:センネンボク
ハワイ語名:kī(キー)
キーはポリネシア人がハワイに渡って来た時に持ち込んだカヌープランツの1つで、原産地は東南アジアやメラネシアなど。
古くから東南アジアなどの原産地ではtiティーと呼ばれ、現在のアメリカの園芸愛好家にもti plantsと呼ばれています。
かなり古い時代から赤葉や緑葉の品種が存在したようで、現在でも赤葉系の品種だけでも山のように存在し、さらに緑葉系の品種、白い斑入り品種などがあります。
ハワイには緑葉で根茎が肥大する品種が選抜されて持ち込まれ、それがキーと呼ばれました。

ハワイ語名のkī(キー)についてはハワイ語ではTの発音がKに変化する事から、tiがkīと呼ばれるようになります。
このような変音化は他にもあり、talo(タロイモ)がハワイ語ではkaloカロとなったりします。
神聖なる魔除けの植物
ネイティブハワイアンを含むポリネシア人の祖先が暮らしていたとされる東南アジア島嶼部やメラネシアなどの地域においては古代から赤いティーが神聖な植物とされ宗教的に用いられて来た事から、ハワイでも魔除けや浄化、儀礼などに用いられてきた極めて重要な植物です。
現在でもキーの葉を海水や塩水に浸してからお清めに使ったり、邪気や悪い気を敷地に入れないための魔除け・結界としてヘイアウ(聖地)や多くの家の周囲や商店の店先などに植えられています。

これらの事からアメリカでは幸運を呼ぶ『グッドラックプランツ』とも呼ばれて日本の観葉植物の『幸福の木』の由来にもなりました。
※ただ残念な事に日本ではキーによく似たドラセナ・マッサンゲアナが幸福の木と呼ばれてしまっています。
料理からフラ、レイまで
キーとハワイアンとの結びつきは宗教面や精神的な面だけではなく実用面でも重宝され、ペースト状にしたkalo(タロイモ)や豚肉に魚などをキーの葉で包んで蒸し焼きにする伝統料理Lau Lau(ラウラウ)に使われました。
また根には糖分が沢山含まれており、砂糖が伝わるまでは貴重な甘味源とされていました。
その根茎を発酵・蒸留する事でʻōkolehao(オコレハオ)と言うお酒も作られました。
食文化以外ではフラの衣装としてスカートに利用されたり、レイの材料にも利用されます。
本来このようなレイなどに使われるキーの葉の事を日本でティーリーフと呼ぶようにハワイではlāʻīラーイとも呼ばれます。
また先述した魔除けと言う意味合いでキーのレイを車のバックミラーに掛けて、お守りとして使う方もいると聞いたので我が家の車にも毎年レイを編んでもらって使っています。

キーを買おう
宗教的な活用から料理にフラの衣装まで使われる、そんな特別なキーであれば日本では買えないのでは?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
フラを習っている方やレイメイキングをされる方も材料としてのティーリーフは見るけど、園芸店やホームセンターで鉢物は見た事ない。という方も多いかと思います。
私も以前は日本では買えない物だとばかり思っていました。
現に広葉タイプの緑葉のキー、所謂ティーリーフの鉢物は園芸店などでは売られていませんが、赤葉系のキーなら最近は園芸店などで売られています。
また花束に使われる葉物では『ドラセナ』と言う名称で多くの品種のキーが使われています。


日本国内では先述した通り『幸福の木』がドラセナ属の植物と混同されたり、そもそもティーリーフがコルジリネと言う植物と言う事もあまり知られていないので、実は販売されていても気付かれていない。と言う事も事実です。
キーの育て方
キーは暑さに強く寒さにもある程度の耐久性を持っていますので、春から霜が降りるまでの間は外で育てる事が出来ますし、都心部や南房総の海外近くなど霜の降りない所であれば地植えも可能です。
さらに耐陰性と言って暗さにもある程度の耐える力があるので、日差しがたっぷり差し込む窓辺ではなくても明るい部屋の中でなら充分育てる事が出来ます。
因みに私は冬の間は北側の薄暗い暖房のない部屋で越冬させていますが、毎年枯れずに春を迎えてくれます。
使用する用土は通気性の良い土であれば種類は問いませんが、キーに限らず多くのハワイアンプランツはお水が大好きなので、大きく伸びやかに育てたい方は土を1年を通して乾かす事ないように水やりをしてください。
お水やりが面倒だと思う方は深めの受け皿を使って、上からかけた水をそこに水を少し貯める『腰水管理』でも大丈夫です。
数日に一回程度確認して、水がなくなってるようならまた上からたっぷりお水をあげれば大丈夫です。
よく園芸サイトなどに書かれる根腐れについては、しっかり根が張ってる株であればあまり心配せずしっかりお水をあげた方が元気に成長してくれます。
お庭に置く際は春秋は1日1回、夏は朝と夕方の2回しっかりと水やりをしましょう。
また置き場所は半日陰から日向でも大丈夫です。
ただ最初は葉焼けを起こす事もありますが、すぐに日向に適した葉が出て来きます。

経験上、水や栄養分が足りなくなると、下葉から葉色を黄色くさせて枯れていく事が見受けられます。
お水をしっかりあげ、固形型の肥料を置いてあげると瑞々しく立派なキーになってくれます。
病害虫について
最後に育てる上での心配面、病害虫についてですが、キーにはハダニの被害が1番の懸念点です。
園芸サイトなどに、乾燥しているとハダニが付くと書かれてる事がありますが、腰水管理をしてお水じゃぶじゃぶ状態でも付きます。
ただ乾燥状態より被害が分かりづらいのです。

ハダニが付かないようにする予防はなかなか難しいのですが、付いてしまった後の対策は濡れたティッシュなどで葉の裏表を拭ってあげる事でかなり駆除出来ます。
その上で市販の駆除薬を使えばさらに駆除が出来安心です。
一度駆除して、その後室内管理であれば再び付く事は稀ですが、お庭などに出す場合はまた付いてしまうのは仕方ない事だと思います。
ただ定期的に葉の裏にもシャワーを当ててやる事でかなり防げると思います。
病気については経験上特に心配はいりません。
私が行っているLau Kīプロジェクトではこの緑葉のキーと緑葉から赤く変化していく品種の苗を少量ですが現在生育中です。
初夏には皆さまへお届け出来るようになると思います。
是非皆さんもハワイを象徴する植物、キーを育ててみて下さい。
Lau Kī IWASAKIについて
ハワイアンプランツ愛好家の私、Pantere IWASAKIがハワイアンプランツとハワイ文化を知れば知るほど日本でももっとハワイアンプランツを普及させたいと思い、『ハワイ好きなら1家に1鉢』をスローガンにハワイアンプランツ入門として自宅で簡単に育てられ、ハワイ文化と深く結び付いているkīやkaloなどを皆さんにお届けしたいと、『Lau Kīプロジェクト』を行なっています。
活動の趣旨に賛同してくださった沖縄の生産者さんなどのご協力の元、主にローカルなイベントにて継続可能な最低限の金額での販売をさせて頂いております。

